なかなか治らない、慢性的な手首腱鞘炎の原因と治し方
「手をよく使う人に多い」と言われる手首腱鞘炎。
長時間のスマホやパソコンの使用、楽器や手を使うスポーツ、家事や育児など原因は様々ですが、使い過ぎだけが原因とは限りません。
「安静にしていても、なかなか痛みが取れない」
「病院に通っているのに治らない」
「治ったと思っても、また再発してしまう」
という方が、意外に多いのではないでしょうか?
痛みを放置していると、日常生活に支障をきたすほど悪化してしまうこともある腱鞘炎。
正しい原因を知り、根本的に治したいですよね。
そこで今回は、なかなか治らない慢性的な手首の痛みを引き起こす腱鞘炎の原因と治し方について、お伝えしたいと思います。
「慢性的な手首の痛みに悩まされている」
という方は、ぜひ最後まで読んで取り入れてみてくださいね。
なぜ痛くなるの?手首腱鞘炎とは
ひじ、手首などの関節付近は、太い筋肉が細くなり腱となって、骨と繋がっています。(例えば、アキレス腱がよく知られていますね)
腱は、筋肉の力を骨に伝える重要な役割を果たしています。
関節の動きをスムーズに連結させ、かつ腱を傷つけずコントロールするため支帯(ベルトの役割)で腱を抑えています。
また、腱と支帯の間の摩擦を軽減し、滑らかな動きを保つために、腱は腱鞘と呼ばれるパイプのようなものに包まれ、潤滑油(滑液)によって保護されています。
腱鞘炎とは、腱鞘(腱を覆っている組織)が炎症している状態を指します。
炎症の定義
では、そもそも炎症とはどういった状態を指すのでしょうか?
炎症の定義には、
1.細胞が「細菌」「外傷」「化学物質」「熱」などにより破壊され、障害が起きている状態
2.細胞組織が正常ではなく異常な状態
の2つがあります。
1.は、誰が見ても(腫れているなど)判断がつく状態です。この場合、痛みの部位を直接触ってはいけません。必ず病院で詳しく調べてもらうことをお勧めします。
2.の場合、定義自体があいまいです。
何か体に異常があったときは、すべて炎症と定義できてしまいます。
実は、腫れや熱をともなわない慢性的な手首の痛みで腱鞘炎と診断された場合、本を正せば【腱・筋肉の緊張】が原因で起こっていることが多いのです。
※ただし、大前提として(事故やケガ、ウイルス、公害、外傷、細菌、金属化学物質の影響など)原因がはっきりしたものは除きます。
慢性的な手首の痛みを引き起こす原因と治し方
腱・筋肉の緊張が原因で痛みが起こっているとお伝えしましたが、実際にどのようなことが起こっているのでしょうか?
原因とそれぞれの治し方について、あげていきます。
老廃物の滞留による腱の肥大
老廃物が滞留することによって腱が肥大し、腱と腱鞘の内壁で起こる摩擦によって炎症が起こります。
この場合、腫れ、熱を持つので患部に触れてはいけません。
なお、細胞が損傷を起こしているため、修復に最大2か月は必要とします。
仕事やスポーツで痛みに耐えながら無理に動かしたりしないこと。(痛み止めを飲んででも無理に動かすと悪化します!)
腱の緊張状態による血行不良
原因不明な慢性の痛みは、腱・靭帯・筋肉の緊張による血行不良から起こる酸素欠乏が原因。
この場合、緊張成分を抜き軟らかくすれば、痛みは消えます。
癒着
癒着とは、別の構造の組織が2つ以上くっついてしまうことです。
この場合、支帯と腱鞘、腱と腱、腱と腱鞘、腱と筋肉、骨と腱の癒着が考えられます。
癒着しているだけなら問題ありませんが、痛みを我慢し無理に動かすと、筋肉や腱が断裂し細胞の破損・毛細血管の断裂により腫れや熱を持ちます。
腫れ・熱がない場合は癒着部分を外すことで痛みは消えます。
癒着させている成分の一つがカルシウム。
カルシウムは筋肉の収縮や損傷部位を再生させるまでの保護のため、凝固させる役割を持ちます。
癒着状態が続くとカルシウムが定着し石灰化を起こすのです。さらに、無理やり(痛み止めなどを服用し)動かし続けるとカルシウムが抜けきれなくなり、筋肉・腱の骨化につながっていきます。(痛くて寝たきりの状態がここ)
そして、2か月以上腱(筋肉)を動かさない場合、筋線維が減少(筋力低下)していくため早い段階で正しい治療をしないと症状がさらに悪化してしまいます。
当院の施術でできること
ほとんどの患者さんは腫れや熱もないままの状態で、腱鞘炎と診断されています。そして、そのほとんどが手指を動かす筋肉の緊張により痛みが出ています。
つまり、治す方法は手首の緊張を取り除くことなのです。
当院のオススメする整体法では、筋肉や腱からカルシウムを含む緊張成分を抜くことができます。(セルフケアも可能)
セルフケアの方法
普段の生活で意識すると良いことや対処法をご紹介します。
痛み止めなどを飲んで無理をしない
痛みがある場合は、無理をせずに休むことが大切です。痛みは筋肉が緊張している合図なので、十分な休息で自然な回復が期待できます。
もし、無理をしなければならない状況なら、少なくとも痛み止めやシップを使いながら無理をし続けるのは避けてください。
長期間にわたって無理を続けると、手首や指の変形や他の問題が増えてしまう可能性も。だんだんと薬の量が増えることも考えられます。
痛みの出ない仕事に変える、または少し待って落ち着いてから仕事を再開するなど、できる範囲で対処することが大切です。
腰の筋肉や肩、腕の筋肉を温める
腰の筋肉から肩、腕へと「大から小」に向かい筋肉がついています。
まずは腰の筋肉を温め、血流をよくしてください。
温泉も良いですね。
ただし、腫れて炎症している場合や、腰のマッサージ・ストレッチは厳禁です!
血流が良くなれば痛みの物質を体外へ流してくれるので、お風呂で腕を軽くほぐしたり、マッサージしたりするのもいいと思います。
(できれば当院のおすすめするセルフケアを試してみてくださいね)
まとめ
今回は、慢性的な手首腱鞘炎の原因と治し方についてお伝えしました。
痛みは身体からのサインです。
正しい原因と対処法を知り、薬でごまかすのではなく、できる範囲のことからぜひ取り入れてみてくださいね。